個人契約|福岡の家庭教師ふなきち 子どもの可能性を潰さない声掛けを…(福岡市 私立中学校受験 西南中、大濠中、上智福岡中、高校受験)

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子どもの可能性を潰さない声掛けを…

小学校に勤める知人から聞いた話

先日、小学校に勤めている知人から聞いた話です。

それは、何年か前のこと、1学年が30名程度の比較的小さな小学校に通っていた小学4年生の女の子の話でした。 学校の成績はとても優秀だったようで、将来の夢である医師になることを目標に、日々がんばっていました。 ところが、ある時を境に、授業中の発言が極端に少なくなり、宿題も提出しない日が出てきたそうです。 また、休み時間や給食時間なども明らかに元気がない様子だったので、 担任教員が心配して、自宅に電話をかけてみました。

親御さんの話によると・・・。医師になりたいという娘の夢を叶えてあげたいと考えた親御さんは、田舎の公立中学校に進学させるのではなく、私立中学校への進学を娘さんに勧めました。 そして、1か月ほど前に某大手学習塾の入塾テストを受けたそうです。 それまで小学校での勉強しかしていなかったため、入塾テストは苦戦をしたようで、結果は平均点よりちょっと下くらい。 自分ではもっと出来ると考えていたようで、かなり落ち込んだそうです。

強い声掛けは劇薬に似たり

私が問題だなって思ったは、そのあと・・・。 塾の講師と母親と本人の3人で面談をしたときに、「このままでは私立中学校も医学部も難しいよ。 もっと一生懸命勉強しないとね。」と塾講師が言ったそうです。 生徒本人はただでさえ落ち込んでいたのに、そこに畳み掛けるような言葉。 塾講師は発破をかけるつもりで言ったんだと思いますが、その子にとっては逆効果でした。 結局、塾に通うのはやめて、自信を喪失したまま、冒頭のような状態になってしまいました。

まぁ、その塾講師が言いたかったことも分かるんですよ。 医学部合格を目標にする中学を目指すのであれば、もっと勉強しなければいけなかったのは確かでしょう。 しかし、表現がストレートすぎです。 中学生や高校生ならまだしも、小学4年生にかける言葉ではありません。 明かな配慮不足です。

以前、別の記事にも書きましたが、強い言葉は劇薬のようなものだと思います。 劇的に状況が改善することもあれば、強い副反応が見られることもある。 生徒との信頼関係があり、その子がその言葉を糧にできるだけの体力があるかどうかの見極めは必ずしなければなりません。

塾講師、家庭教師は勉強を教える機械ではない

塾講師の真意はどうであれ、周りが心配してしまうほど生徒の自信を失わせてしまったわけです。 これは、プロとしては絶対にやってはいけないことなんですよ。 いろいろアプローチして、成果が出ないってことはよくあることだし、仕方のないことだってあります。 けれども、自信を失わせたり、以前よりも悪くなってしまうのは、絶対にあってはならないことです。 それは子供の可能性を潰すことと同義です。

「可能性を潰すなんて大袈裟な!」と思うかもしれませんが・・・。 ただ、生徒一人一人に目を向けたら、決して小さなことではありません。 塾講師にしても、家庭教師にしても、勉強を教える機械になってはダメなんです。 それだったら、人工知能やリクルートがやってるような授業動画サービスだけで十分です。

我々がやっていることは、人と人とのコミュニケーションを軸にして行うサービスです。 つまり、そのコミュニケーションである軸が破たんすれば、生徒にとって害になり得るわけです。 塾講師にしても、家庭教師にしても、軽く考えている人が少なくないように思います。

おわりに

しばらくすると、その子は少しずつ元気を取り戻し、3学期に入ってからは、それ以前とほとんど変わらない様子にまでなったそうです。 それを聞いてほっとしました。願わくば、医師の夢は諦めずに勉学に励んでほしいところです。

塾講師や家庭教師は勉強を教えるのが仕事。 確かにその通りではあるのですが、それだけではありません。 塾講師、家庭教師の方、また目指している方(とくに学生さん)は、その子供にとって、深く関わる数少ない大人の一人になることを、 その言動によってはその子の未来への可能性を潰してしまう危険性があることを、しっかりと自覚して仕事に従事してほしいと思います。

2017年8月30日更新

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