個人契約|福岡の家庭教師ふなきちのリハーサル方略(福岡市 私立中学校受験 西南中、大濠中、上智福岡中、高校受験)

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学習・暗記の基本「リハーサル方略」

はじめに

家庭教師をしていると、「私は暗記モノが苦手。」と訴える生徒さんによく出会います。 中には、「私は頭が悪いから暗記できないのだ。だから仕方がない。」と諦めてしまっている生徒さんもいます。

実は、暗記が苦手な生徒さんのうち9割は、ちゃんとした暗記方法を知らないのです。 暗記は単純作業なので、すぐんに飽きがくるというのも問題になります。 家庭教師が丁寧に暗記法を教え、さらに生徒さんがやる気になれるような工夫が必要です。

今回は、暗記を含めた全ての学習の基本的な方法である「リハーサル方略」について書きます。

リハーサル方略の使用

「リハーサル方略」とは、覚えたいことを繰り返し唱えて覚えるということです。 ほとんどの人は実際にリハーサルを用いて、何かを覚えたことがあると思います。 このリハーサル法は、全ての学習の基本となります。

多くの人は小学2年生に習う掛け算「九九」でリハーサル方略による学習法を学びます。 皆さんは九九を覚えたときの記憶はありますか?

私のクラスの場合は、朝の会のときに九九をみんなで復唱した記憶があります。 また算数の授業中に先生の机の前で九九を言い、合格すればシールを貼ってもらえることになっていました。

九九を覚えはじめる前までの子供たちはほとんどこのリハーサル方略を使用しません。 小学2年生でこのリハーサル方略を使用し始めることで、記憶できる量も正確さも飛躍的に伸びます。

リハーサル方略が身についていない生徒

ほとんどの方はリハーサル方略という言葉自体は知らなくても、その方法や九九などで実践した記憶があると思います。 また記憶するときに無意識に復唱される方も多くいらっしゃると思います。

しかし、中にはリハーサルでの学習法が身についていない生徒もいます。 過去の私の教え子に、「勉強の仕方がまったくわからない。」、「今までで一度も暗記できたことがない」という生徒がいました。 受験生なのに英単語のpenやyouすらも覚えていない。 辛うじてアルファベットがかける程度。数学にいたっては掛け算ができない。 おそらく何かしらの学習障害などがあったのかもしれませんが、学校生活は良好で友達もおり、学習面以外はほとんど問題のない生徒でした。

ご両親からは「本人も進学の意思がない。それにどこの高校も合格できないだろう。 それでも何とか生活するうえで基礎的なことを教えてくほしい。」というご依頼があったので、不安に思いながらも手探りで指導をしました。

学習指導が始まりびっくりさせられたは、覚えたくても覚えられないのではなく、覚える行為自体を知らなかったと言うことです。 最初にどのような勉強法をしているのかを知るために、具体的な方法は示さずに「この単語を覚えて」とだけ生徒に告げました。 しかし、彼は暗記の方法を知らなかったので、覚える英単語を凝視するだけで微動だにしなかったのです。

そこで、英単語を発音させながら1回書き、アルファベットを読ませながら2回書く方法を指示しました。 するとすんなりと覚えられたのです。 私は愕然として「今まででこうやって覚えたことある?」と聞くと、「これがはじめて」と言うのです。 これには本当に驚かされました。

リハーサルでの勉強法を覚えてから

それから週に1回60分という短い指導時間ですが、根気よくリハーサルさせていきました。 その結果、3ヶ月後には九九は完全にマスターすることができ、 日常で見ることの多い英単語を30個くらい読み書きできるようになりました。

その後数ヶ月の指導を続けたことで、生徒に覚えられるという自信がつき、進学を希望するようになりました。 簡単な学力試験と面接が合否の判定基準であった高校ですが、本人なりの努力をして無事に合格。 生徒本人もご両親もとても喜ばれたのが印象的でした。

ここまでの学力不振が起こった原因は、 小学校低学年のころにつまずき、 その後に十分な指導を受けられなかったのでしょう。 生徒本人だけでなく、親や教師も諦めてしまっていたことが原因の1つだと思います。

学習の基本はリハーサル

何度も書きますが、学習の基本はリハーサルです。 例えば、松という漢字を覚えるのであれば、ただ黙々と「松」を書くよりも、 「きへんにハム」などと唱えながら覚えるほうが断然覚えやすいと言う経験を持った方も多くいらっしゃると思います。

また、英単語のsoccerという単語の暗記に関しても、書くだけより「エス、オー、シー、シー、イー、アール」と綴りをひたすら復唱するほうが記憶に残ると思います。

中学生で覚えることになる竹取物語や枕草子の序文も、書いたり意味を理解して覚えていくよりも、 とにかく復唱していくことが暗記への近道です。

覚える内容によってベストな暗記方法が違うのですが、手だけでなく口を動かすことも重要なのです。

考察、おわりに

今回は、教科学習においての基本の基本である「リハーサル方略」について書きました。

とくに小学校中学年ごろの学力不振は上手くリハーサルができないことが原因です。 丁寧にリハーサル方略を教えてあげれば飛躍的に学力が上昇します。

また、中学生で暗記物が弱いと自覚する生徒さんの中には、ただ闇雲に書くだけで覚えられると思い込んでいる生徒さんも多くいます。 (実際には覚えられていないのに)

私も学生時代にひたすら書かせる記憶法で覚えさせようとする古い考えの教師に何度も出会いました。 とくに中学校の社会科で100文字以上もある文章を5回くらい書き写して覚える宿題が出されていました。 当時から「こんなことしても覚えられないよ」と思いながら、内申点のこともあるので仕方なく書き写していた記憶があります。

今は書いて覚えることこそが暗記の全てと考える教師は少ないとは思いますが、生徒は学校の教師を選ぶことはできません。 ですから、まわりにいる大人が正しく教えてあげることが重要なのです。

(2012.6.4更新)



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