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(ニュース)朝課外は時代錯誤な慣習だと思います

ニュースから。

〜毎日新聞〜
九州の高校の「朝課外」に疑問の声 「実施要望が根強い」との指摘も

この記事によると、九州地方の独自の習慣である「朝課外」は非正規の授業にも関わらず、「事実上の強制」となっている現状について、 現場の教員や保護者から疑問の声が上がっているそうです。

多くの学校で、朝課外は7時半から開始されています。そのため、生徒によっては十分な睡眠が取れず、また保護者も早朝の弁当作りなど負担が大きく、 また小さな子どもがいる教員も育児との両立ができないという問題があるようです。

一方で学校側の言い分は「保護者から『課外授業をやめずに続けてほしい』という要望が出るから」だそうで、これにも疑問が残ります。 朝課外賛成と反対の意見のうち、なぜ賛成意見を優先させるのでしょうか。

保護者のニーズに答えるのであれば、朝課外は希望制にすれば良いと思うのですが・・・。 実際は、学校側は「希望制」といいつつも、朝課外の時間帯に正規授業の内容が行われていたりと「事実上の強制」状態です。

私は、自主性や多様性が求められる現代社会において、朝課外は非常に時代錯誤な慣習だと思っています。

そもそも、朝課外を行うことで学力があがるという主張に対しては、懐疑的に思っています。朝課外は九州独自の慣習です。関西や関東では行われていません。 私が大学時代に過ごした東海地方でも朝課外は行われていませんでした。

朝課外で学力が上がるのであれば、これら別の地域の高校生と比べて、九州の高校生の学力は高いでしょうか? おそらく、そんなことはないでしょう。

個人的には私が大学時代に住んでいた東海地方の高校生の方が学力が高いと思っています。 というのは、福岡の学校と愛知の学校では進学実績がぜんぜん違います。 愛知県では、年間で100人もの東大生、京大生、医学部生を輩出している県立高校が複数あります。

もちろん、福岡の高校生が地元志向が強かったり、優秀な生徒は中学、高校受験で関東や関西の学校に進学したりと一概に比べることはできませんが、少なくとも朝課外に際立った効果があると思えません。

また、高校生にとって慢性的な睡眠不足は、成長や健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。 7時半の課外に参加するためには、生徒によってはその2時間前には起床しなければいけません。 放課後の課外も18時過ぎまであります。そこから1時間以上かけて帰宅し、食事、入浴、課題を熟してたあっという間に日付が変わります。

健康や学力のことを考慮すると、高校生でも7時間半から8時間の睡眠が必要と考えています。 朝課外によって慢性的な睡眠不足に陥り、一日中集中力が低下することも考えられますし、効率の良い学習が妨げられます。

また、朝課外を実施するのには、教員と生徒を送り出す保護者の存在も非常に大きいです。 私の姉(シングル)も以前高校教員をしていましたが、朝課外のために子どもを実家に預けて、自分は高校のすぐ近くにアパートを借りていました。 姉の場合は、預けられる実家がすぐ近くにあったのですが、これが健全な状態であるとは思えません。

日本では国を挙げて、子育てと仕事の両立ができるように改革が行われ、教育現場では教員の負担軽減策についてさまざまな議論が行われている中で、 効果について疑問視される朝課外を実施するのは、時代錯誤であり悪しき慣習だと思います。



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